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更新日:2023年6月27日

この数日休診をいただき迷惑をおかけしました。

というのも、横浜で開催される日本精神神経学会へ参加してきたからです。


今日は、馴染みがない方もおられると思うので、学会について今回の参加の感想がてら紹介します。


・なぜ医師は学会に参加するか

・今回の学会について

・院長の場合/診療をおして参加する意義


について書いてみます。



なぜ医師は学会に参加するの?何しに行くの?

大概、多くの先生が以下の理由で学会に行きます(はずです)

学ぶため

②研究の発表や意見を述べる演者として講演するため

単位取得のため

旅行


大体こんなところです。また、医師たちが同様の知見を共有することで、同じ視点に立って同じ言語で意思疎通が図れるようになり、医療の質の均てん化を目指すという医療界全体の要請の意味もあります。診察室だけにこもっていると、標準的な治療から遅れる、外れることになってしまいますので。

ということで、医師個人のため、結果として日本社会のためという感じ。



どんな学会なの?

今回、院長のわたしが参加したのは、日本精神神経学会という精神医療の中核を担う学会です。(精神科医は日本に2万人ほどいます。非感染性疾患のうちの30%ほどが精神疾患。がんでさえ11%です。精神疾患の中でうつ病だけをきりとっても、がんの罹患数を超える患者数だそうです)。日本の精神科医療の政策に大きく関わっている団体です。

*学会会場 パシフィコ横浜 2023.6.22~6.24




それで、院長が参加した理由はどうなの?

私の場合は御多分に漏れず、①③④の意味で参加してきたのですけど特に③単位取得のためというのが大きく、現在、ちょっと焦っています。

精神科専門医と産業医の資格を維持するために参加する必要があるのですが、更新のために5年間で20時間(単位と呼んでいます)の研修が必要なところが、私の場合あと1年で10単位が必要な状況となっています(ピンチ!


それらの資格は何かに必要なの?更新しなくても良いじゃない、診療もあるのに、医師免許はあるのだから、と聞こえてきそうですが、実際更新しないと業務にかなりの影響があります。資格がないと処方できない薬があったり、病院としてのある基準が満たせなくなったり診療報酬が支払われなく(減額に)なったり、産業医の業務が不可能になってしまいます。あるとお得じゃなくて、ないと損するような制度設計になっているのです。専門性を顕示というようなことではなくて、実務上の問題が発生します。



で、学会って具体的にどんな感じ?

単位とか資格とか、小難しいワードを出してしまいましたが、学会そのものはもっと気軽なお話です。

この学会、基本誰でも参加できます(のはずです)。会員はもちろん、医学生や当事者やその家族などが主な対象で、他、非会員として誰でも参加可(会費が必要です)、マスメディア向けの広報もされています。その中で、専門医の先生は会の参加で単位を認定されたり、一部セッションでは、産業医や指導医などの単位が認められているセッションがあったります。


こんな感じで(17会場だったかな)が同時並行で講演が行われていきます。ものすごい参加者数です!抄録を見ながら興味があるセッションに参加していきます。

研究成果やその概要を説明する講演や教育的な講演、出演者が意見を出し合って会議するような形など様々です。もちろん演者は日本を代表するような先生ばかりです。


去年は細田クリニックの細田先生が普段私が参加している就労支援の研究会の成果について発表され、私は名前だけ出してもらう形で参加したのでした・・・。


会場はこのように、1000人単位で収容が可能な会場もあれば100人くらいの小さめの会場もあります。私は、大体ミーハーで大きい会場のセッションばかり拝聴しました。


先進的な話題としては磁気刺激治療でしょうか。講演には参加しませんでしたが、大学の先生から情報を聞けました。中等度のうつ病の治療方法として一般的になりつつあり、今後必要な方があれば、積極的に検討します。


私の印象に残った話としては、弁護士の先生のセッション(雇用契約と配慮義務に関する判例とその解釈)と経済産業省の方が登壇したセッションでしょうか。分野外の話題はとても新鮮で、普段学ぶ機会もありませんから。ホワイト500の成り立ちとか背景になっている思いとか、うーん、官僚に対して、創造的なことは全く期待できないと私はこれまで感じてきたのですけど、しっかりとしたビジョン、アジェンダを持って自ら考える人がきちんと日本の中枢におられ、日本も捨てたもんじゃないって感じ。健康に気をつけてくださいと言っても、誰も健康に気を払わない。どうインセンティブを作るか、健康になりたいなどと思わせず勝手に健康になる仕掛けをどう生活、仕事に組み入れちゃうかって。(厚労省とえらい違うようですけれど???)


ということで、産業医6単位(あと4単位くらいで目標達成)、精神科専門医は10単位くらいを無事取得することができました。



んで、④旅行って??

もちろん、夕方学会を終えると観光やグルメの時間が待っています。せっかくなので堪能しなければ。当院の診療日・休診日の関係で連休は年に4回くらいしかありませんから、ここぞとばかりに楽しみたい、と。

ホテルからの風景です。夜景がものすごい。満月の夜より空が普通に明るい。感動しつつ都会で暮らしたらどうなってたんだろうという妄想にふけって過ごしました。


私は食べる前に食前酒(ジュース)を飲むのが習慣です。大体りんごジュースかオレンジジュース。

そしてラーメン食べ歩き


極めつけは横浜中華街でしょうか。コロナ禍後も人が戻ってきてるのは中華街だけだとタクシー運転手さんより聞きました。まだ都会も本格復帰とはいかないらしいです。


こうして、勉強して、夜は旧交を温めました。付き合っていただいた先生、どうもありがとうございます。



こうして、久しぶりに書いてみました。ああ、あの写真もこの写真も取っておけばよかった、とブログを書いている最中に情景を頭に巡らせました。この記憶もやがて薄れてしまうな〜。写真って大事ですよね、記憶は当てにならないし人間見たいものしか見ていないので。(いま、カメラ選定中です)


またそのうち書いてみます。では、また診療が始まります。

真っ赤な夕焼けを横目に機内にて

2023.6.24

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